


詩誌ほうせきぼうぎょvol.1
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詩誌『ほうせきぼうぎょ』創刊の辞 高安海翔
今この文章を読んでいるあなたは、「ほうせき」という言葉から何を思い浮かべるでしょうか。わたしは、昨年亡くなった老犬がヨークシャーテリアで、この犬種はその毛並みの美しさから俗に「うごくほうせき」と呼ばれているということを、それからエジプトの詩人アマル・ダンクルの一節、「もし私があなたの目をえぐり出して/その代わりに宝石を置いたら/あなたはそれでも目が見えるだろうか」を思い浮かべます。
ほうせきぼうぎょという言葉は、突然わたしに降り注いだ言葉であり、すでに汲み尽くされた凡庸な比喩であるかも知れず、しかし奪われてあることの冷たさが物質的な想像力を強く喚起する言葉でした。私はこの言葉を軸足に置きながら、この時代において書かれるいくつもの詩へと即興的に繋がり続けてゆきたいと考えました。
詩誌『ほうせきぼうぎょ』は、毎号異なる十名程度のメンバーを高安が募集し、構成されるものです。vol.1となる今回、作品の部では、湖星志帆子、志賀野左右介、高安海翔、多賀盛剛、花氷、水城鉄茶、四塚麻衣(五十音順)の七名の詩/短歌作品が収録されています。作品提出に当たってはテーマやジャンルの設定などはせず、各人の提出するに任されてあります。翻訳の部では、高安海翔がパレスチナ人作家であるモハンナド・ユーニス、ムハンマド・エル=クルドの作品を、河城瑞季がロシアの詩人マリーナ・ツヴェターエワ、ヴァチェスラフ・イワーノフの作品を翻訳/解説しました。装幀には當麻卓也氏の描き下ろし作品《水傷》を使用させて頂いております。
九名の作品、翻訳、絵の交差の中で、何か感じていただけましたら幸いです。
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